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褥瘡(じょくそう)=床ずれ

寝たきりの老人 は、平成12年には全国で100万人にも達すると言われています。寝たきりになると、いろいろな問題が起こりますが、中でも褥瘡(じょくそう)、すなわち 床ずれは介護を困難にする大きな要因です。「床ずれは医者や看護婦の恥」とよく言われますが、これは十分な看護をすれば床ずれは避けられると言う戒めで す。しかし、病院ではともかく一般家庭ではなかなかむずかしい面があります。できるだけ床ずれをおこさないように、今月は知識を深めましょう。

床ずれはなぜできるか:健康な人では、どんなに熟睡して体重で皮膚の血流がとだえても、痛みやしびれで無意識に寝返りをうち、血行障害をおこすことがありません。ところが、皮膚の知覚障害があったり、マヒなどで運動ができなかったりすると、同じ部位が長時間(2時間以上)血流がとだえる状態におかれることにより皮膚がこわされます。それが、床ずれです。皮膚が傷つきやすく感染しやすくなっている高齢者や体力の落ちた人は床ずれができやすいです。高齢者の皮膚は、皮脂(あぶら)が少なく硬いようでも弱く、皮下血流も少ない上に痛みの感覚が鈍くなっています。さらに栄養障害や免疫力の低下が細菌感染をおこしやすくしています。関節が硬くなったり、マヒ、脂肪や筋肉の衰えによって骨が隆起することも床ずれを出来やすくします。

床ずれの症状:圧迫された部位が赤くなってはれてきます。後に水ぶくれ、びらん、かいよう、または乾性壊死ができます。壊死(えし)が筋肉、腱、骨におよぶとこれらが露出することもあります。

床ずれの予防:いったん床ずれができると処置がたいへんで、人手と時間が予防するよりも何倍もかかります。ですから予防的な介護が最も大切です。

  1. 除圧:皮膚の圧迫を避けること。最も基本的な対策。体位交換を2時間ごとに。有効な除圧用具(エアマット・ムートン・スポンジパットなど)の使用。できるだけ寝たきりを避けて坐位にすること。
  2. スキンケアー:皮膚の清潔、乾燥を保つこと。特に臀部は全体重の50%がかかる上、尿失禁によってむれるので、オムツ交換を頻繁に。症状のゆるすかぎり入浴も大切。皮膚が傷つきやすいまさつ、衣類のずれにも注意が必要。
  3. 栄養の改善:十分な栄養の補給で体力向上を。

治療:ごく初期の発赤やむくみにはアルコール清拭やマッサージが有効。びらん部はイソジンなどで消毒と乾燥。壊死部は医師の指示に従って消毒、薬の使用を。床ずれの部位からはたくさんの液がにじみ出て、低蛋白血症、貧血になりやすいので、高蛋白食で全身の管理をすることが大切です。

東雲堂だより(1997.11から) 鈴木孝雄
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